あの人のトライ:籠田公園ラジオ体操 大野楓さん
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QURUWAで日々トライを続ける方々のお話を聞いていくシリーズ「あの人のトライ」。今回登場していただくのは、平日の朝に籠田公園でラジオ体操をリードされている大野楓さんです。
2020年に始まった籠田公園でのラジオ体操。始めた時は数名だった参加者も今や70名近くになり、まちのみなさんの日課になっています。2020年に発起人から受け継いで続けるに至った経緯や思い、現在の活動について、楓さんにお話をうかがいました。
毎日開催されるラジオ体操
籠田公園で毎朝開催されているラジオ体操。
晴れている日はもちろんのこと、雨の日も雪の日も、平日は朝7:30、土日は朝6:30スタートで市内のさまざまな場所から参加者が集まってきます。
楓さんは平日のラジオ体操を担っており、みんなの前に立ち元気な声でリードしています。
「あいうべ体操」から始まり、「みんなの体操」「ラジオ体操第1・第2」、さらには100回のスクワットというプログラムで、約20分間体を動かします。
朝に20分の運動をするだけで幸福度が上がることが実証されていると聞きました。
ラジオ体操だけでは15分で終わってしまうけど、スクワットをプラスして20分に調整をしました。朝日を浴び、20分の運動で達成感を得られるので、みなさん終わった後はとても良いお顔をしているんです。
みなさんのやったぞという笑顔に、私もとても幸せな気持ちが溢れてきます。
元々は痩せたいからスクワットを導入したと笑う楓さんですが、毎日70人ほどいる参加者の多くは60代から70代。80代の方々も100回のスクワットを毎日やり遂げるというから驚きです。
ラジオ体操に通うようになって、階段を登れるようになったという方が多いんです。腰が曲がっていた方も別人のようにスタスタ歩いていますよ。
ご年配の方が、自分よりさらに年上の方を連れてきて「腕をこうやって……」と教えている姿にほっこりします。
参加している方からも、実体験を交えたお話を伺うことができました。
3年前から参加しています。先生の笑顔が素敵で、ここにくると元気がもらえるから来ているの。行き帰りの散歩も運動になるからちょうどいい。腰痛に悩んでいたけど、参加するようになってから良くなったんです!
参加している女性

社会貢献を目指すも、しっくりこない日々
半田市出身の楓さんが岡崎市民になったのは就職のタイミング。自動車メーカーに柔道の実業団選手として入社します。その後結婚し、子育ても開始。自分のライフスタイルに合った働き方を模索し、化粧品のサロンオーナーになりました。
化粧品会社の企業理念に「社会貢献」という言葉があるんですが、自分に何ができるんだろうと自問自答していました。
老人ホームでメイクサービスやマッサージをしたり、遺影を撮影するためのメイクのお手伝いをしたりしましたが、これは社会貢献なのか?としっくりこなくて。
そんな中、籠田公園ラジオ体操を立ち上げた小林茂さんから「今からラジオ体操をやるから一緒にどうですか?」と誘われて、参加するようになりました。その後、指導者として活動するようになって社会貢献につながると感じたそうです。
ラジオ体操を続けてみると、1人で暮らしている年配の方が多いことを知りました。
体操をして家に帰った後は、1日誰とも喋らないという言葉を聞いて、事務所として使っていた場所で気軽にコーヒーを飲みながらお喋りできる場をつくろうと思い始めました。
試しに事務所を開放してみたらとても楽しくて、「せめてコーヒー代だけでもお金を払いたい」とおじいちゃん達からの要望もあり、本格的にカフェをオープンすることを考えていきます。
コロナ禍で飲食店をオープンしていいものかと躊躇っていましたが、ラジオ体操に来ている方の人との関わりをこれ以上無くしてはいけないと思い、2022年に2と7のつく日にだけオープンする27cafeを開店。2年半経った今では、地域の方の憩いの場に加え、岡崎おうはんを使った卵かけご飯が食べられるお店として愛されています。
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自分がリーダーとなるきっかけ
そもそも籠田公園でラジオ体操のリーダーをしていたのは、バナナジュース屋さんの店長をしていた女の子。その子の転居をきっかけに、楓さんが引き継ぐことになったそうです。
その子と籠田公園で300人近く集まるイベントをしたことがあって、その時にご好意でステージで演奏してくださったTHE MEMPHISというバンドで、康生地域でFUNKY GOOD TIMEというお店も運営する方からマイクを通して「次は楓さんが引き継ぐんだろう?」と言われてしまって(笑)
薄々感じてはいましたが、そのひと言で覚悟が決まりました。
どんどん参加者が増えていて、今更やめられない。参加者は年配の方が多く、スピーカーから音を流す動作もわからないという現状の中、なんとなく自分が引き継ぐのかなと感じていたそうです。
覚悟が決まり、NPO法人全国ラジオ体操連盟の公認指導者資格の「1級ラジオ体操指導士」を取得し、本格的に始動していきました。
ラジオ体操の運営をサポートする「お世話係」と呼ばれる地域の方が徐々に増えて、今では5人で運営されています。
全国的に見ても、お世話係がいて運営しているところはあまりないんです。旗やスピーカーを持参して、カードにスタンプを押して、体操をリードして、と1人でやられている方が多いので、私はとても恵まれています。
前に立って体操をするからにはきちんとしようと資格を取得したときも、お世話係さんたちも「じゃあ僕たちも取るよ」と言ってくれて今では見習いさんを除く4名みんな1級を持っているんですよ。

引き継いだ当初は、1週間ほどプレッシャーで眠れなかったと楓さんは振り返ります。
参加者だったときは「寒いからやめよう」と気軽に休めたけど、やる側に変わった当初は「遅刻したらどうしよう」とプレッシャーで寝れない日々もありました。
祝日だから休みと勘違いして行けなかった日もありますが、お世話係のみなさんのおかげでなんとかなったこともあります。
仕事とプライベート、毎朝のラジオ体操を両立するのはやはり大変だそうです。
「見守り」という役割
楓さんはなぜ、引き継いだラジオ体操を熱量高く毎朝続けられているのでしょうか。
続けることができているのは、みなさんのおかげです。「ありがとう」と言ってもらえることが多いのですが、私の方がみんなにありがとうと感謝しています。やっぱり楽しみにしてくれている人がいなければ続かないので。
先生と生徒の関係ではなく、「周りのみんなと今日来れた自分に感謝して、お互いありがとうだよ」といつも伝えるようにしています。
楓さんは、本業で取得した「健康管理士一般指導員」の知識や他の情報を掛け合わせて、年配の方に自転車に乗る時はヘルメットをかぶる、夜は蛍光タスキをかけるなどの声掛けもされています。
ひとり暮らしをされている方の連絡先を聞いたり、毎日来ていた方が来ないなど異変を感じたりしたときにはご自宅まで様子を見に行くこともあるそうで、ラジオ体操は地域の見守り機能も果たすようになりました。
私の中で、大きな役割のひとつとして「見守り」があると思っています。
いつも来ている人が来ないと「大丈夫かな」っていう声掛けもできるし、顔を合わせた時に困りごとを聞くこともできます。この前は携帯の充電ができなくなったという方がいて、携帯ショップの場所を皆でお伝えしました。

長寿のQURUWAエリアを目指して
さまざまなご縁が繋がり、籠田公園のラジオ体操を引き継いだ楓さん。
最後に、今の目標をお聞きしました。
「ラジオ体操で100人集めたい!」というのはいつも言っているんですが、籠田公園の周辺を健康長寿のまちにすることが目標です。
QURUWAエリアの人たちは、ラジオ体操とスクワットで長生きなんだねって。(笑)それと、孤立しがちな子育て世代やお子様も気軽に来て欲しいです。
夏休みや冬休みに小学生のお子さん達が来てくれると、参加者の皆さんに笑顔が増えて元気になるんです。
「ラジオ体操よかったよ」とまちのひとたちが伝えて広がったラジオ体操の輪。ラジオ体操は年齢や性別を超えて、誰もが気軽に健康を目指せる場所です。
赤ちゃん連れのパパ・ママも、働く世代も、高齢者のみなさんも、朝の爽やかな空気と一緒に、朝のルーティンに加えてみませんか。
平日朝7時30分、籠田公園でお待ちしています。

大野 楓
愛知県半田市出身、メナードフェイシャルサロン「イルアーチェロ」オーナー。柔道をきっかけに岡崎市に引っ越し。2013年に自宅近くのQURUWAエリアにサロンを移転し活動拠点がQURUWAエリアに。2020年籠田公園ラジオ体操指導開始し2022年サロンの2階にて二七市の日だけ卵かけご飯のお店をオープンさせる。2023年よりBS NHK『チャリダー快汗クリニック』にロングライド女子部メンバーとして出演中。
<27cafe>
Instagram
https://www.instagram.com/27nina_cafe/
執筆:東友里(Okazaki Micro Hotel ANGLE)
写真(特記なきもの):平良涼花(Okazaki Micro Hotel ANGLE)
公開日:2025.01.31