あの人のトライ:7町・広域連合会事務局 筒井健さん

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普段は駐車場とビルの管理やコンビニの経営と共に、イベントの企画運営をおこなう㈱MSAの筒井健さんは、本業のかたわら「7町・広域連合会」を立ち上げ、運営されています。

「連合会を立ち上げて運営するなんて、大変なことをよくやっているね、なぜやっているの」と良く聞かれるけど。僕が自治会に力をいれているのは、祖父の「戦後のまちの復興」を応援してくれた、このまちや人への恩返しなんだよね

遡れば2016年に中央緑道の改修工事の予定が住民に知らされた頃、「自分の家の前がどうなるのか」が気になり情報を得たいという市民の声を反映し、町内会主宰で「中央緑道検討会」を3町から発足したことからスタートしました。その後、籠田公園の改修工事や桜城橋を新設することも合わせて聞きたいと、その周辺町内会も合わせて7町になり、「7町・広域連合会」になりました。現在は「籠田公園・中央緑道・桜城橋マネージメント検討会議」の頭文字を取って「KCBM」と呼ばれています。

なぜまちへの思い入れがあるのか

筒井さんだけでなく、一緒に自治会を盛り立てている、各町内会の総代さんもまちへの想いが深いと感じます。代表を押しつけられてやらされている感じはなく、まちと自然に関われているのはなぜなのでしょうか。筒井さんはこう説明します。「総代さんたちは、世代的にもまちづくりとも思わず、それぞれの得意分野のことを自発的にやれているからだと思いますね。仲もよくて結託感がある」

さらに、歴史的な背景もあるのではと筒井さんは語ります。QURUWAエリアの中にある康生地区は、東海道の宿場町や岡崎城の城下町を基盤に発展し、岡崎市の中心市街地として賑わった場所です。昔から、住んでいる人=商いをしている人として、商売の歴史を継いでいこうという想いや、人が集まって何かをしようとする素地があったのでは、と。

「みんなで一緒に世代を超えた会議帯を持てているのは、我々の売りで誇り。最先端の自治会ではないかと思う」という言葉通り、全国的に見ても珍しい形だと、まちづくりの専門家の方々からも言われるそうです。

まちの歴史と家業

筒井さんは、駐車場とビルの管理やコンビニの経営と共に、イベントの企画運営をされていますが、その家業を辿っていくと、祖父の代まで遡るそうです。80年前の当時は、岡崎城の建設にも携わるような土木建築をしていたそう。そして迎えた戦後の焼け野原の中「まちにはエンターテイメントが必要だ」と、土木建築をやりながら、康生地区で岡崎劇場の経営を始めました。

その後、娯楽の形は芝居小屋から映画館に変わります。おじいさまは、映画館を買い取ったり、土地を提供してもらって、さらに映画館を建てたりと、建設から映画館運営一本になっていきました。筒井さんのお父さまの代には、この康生エリアに15軒ある映画館のうちの6軒を経営していたそう。当時は、ファッションなど情報は映画から得る時代で、沢山の人に夢を与えていたのだと思います。時代の流れでまちなかに映画館はなくなり、現在の不動産経営や企画運営の仕事をするようになったそうです。

リニューアルして、人がより集うようになった籠田公園

新しく挑戦する人たちとの今後

2018年には、岡崎市による籠田公園の活用や管理について考えるワークショップが開催されました。「何かイベントをやろう」と、2021年に盆踊りを復活させたことがきっかけで、それまでは実行委員的だった自治会が、関連する人や興味がある人は誰でも参加できる定例会にどんどん育っていきました。それが、新しく関わる人や若い世代が多く参加している「次世代の会」に繋がっていきます。

自治会にもっと入ってきて、もっと利用してもらったらいいんですよね。縦も横も繋がりがができるし、この地域は新しい商売をやっても、受け入れて応援してもらえるから

最後に筒井さんは、今後への思いをこう語ってくれました。

自分はまだ3代目だけど、おじいさんの代の時に、既に何代も続いている人たちが、映画館=エンターテイメントを受け入れてくれたんです。いまの若い人たちのチャレンジと同じですよね。そんなあたたかい人がこのまちには沢山いて、新しくはじめることを受け入れて育ててくれたんです。自分もあの時のまちの人たちと同じように、繋げて循環させていきたいんです

筒井健
1965年4月13日生まれ。大学時代は4年間を東京で過ごし、内1年をアメリカで放浪。大学卒業後は稼業の関係上、京都太秦映画村でサラリーマン生活を3年間務める。26歳で岡崎に戻り、事業拡大でイベント会社を従弟と立ち上げ、父親の永眠と同時に資産管理(不動産管理)とモータースポーツの会社㈱MSAを立ち上げる。青年期は青年会議所(JC)や商工会議所青年部(YEG)に所属し、人脈を広げる。自治会(町内会)では42歳から副総代を担当。

文章:山崎翔子(Okazaki Micro Hotel ANGLE)

公開日:2022.03.31

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