岡崎市は、QURUWA地区にいろいろな人が訪れられる多様なコンテンツが集積し、寛容性を持つ地区となることを目指しています。
「事業リノスク」とは、地域や参加者同士で連携し、本気の企業のみなさんが多彩なゲストとともに自社事業のリノベーション(更新・向上)や新規事業の構築にトライアルするための機会です。
このレポートでは、4年間継続してきた事業リノスクの成果および令和8年2月12日(木)に行った公開プレゼン・ブース交流会のようすをお届けします。
事業リノスクがまちにもたらした好影響をふりかえります。また、次年度以降の参加をお考えの方には、「まちに関わることが、自社のビジネスや人生にどう還元されるのか?」という、事業リノスク参加の意義が伝わったらうれしいです。
目次
【前半】
1、はじめに
2、なぜ事業リノスクをやっているの?
3、事業リノスクの効果
4、公開プレゼンのようす その1【後半】
5、公開プレゼンのようす その2
6、ブース交流会
7、次年度参加を検討される企業さまへ
1、はじめに
岡崎市がとりくむ「QURUWA戦略」に位置付けるプロジェクトの一つとして、令和4年度から始まったのが「QURUWA事業リノベーションスクール(以下「事業リノスク」)」です。
一般的に全国で開催されている、まちと積極的に関わりながらビジネス(事業構築)を行いたい方を対象に、行政と地域が伴走支援する実践型スクール「リノベーションスクール」の企業参加版となります。
事業リノスクは単なる学びの場や、その場限りのイベントではありません。資金やノウハウを持つ企業がまちと深く関わり、地域の課題を自社のビジネスを通して解決していく「学び×実践」のとりくみです。
2、なぜ事業リノスクをやっているの?
令和7年度で開始から4年目をむかえ、参加企業数は、のべ47に達し、着実にQURUWA地区に直接関わる民間企業が増え、まちの風景を書きかえてきました。
岡崎市が抱える「中心市街地の空洞化」や「経済の縮小」などの課題に対して、事業リノスクは「ビジネスの力」で解決にとりくみます。
事業リノスクの大きな特徴は、「オープンイノベーション」をキーワードに、単に新規事業をつくることではなく、自社の利益の先に「まちの持続性」を見据えた事業が次々とうまれてきたことです。
例えば、空き家を単に再利用するだけでなく、地域の交流の場や防災拠点として機能させるなど、個々の事業を「まちに開く」という、「参加企業の意識のひろがり」がみえました。
また、運営は「行政予算にできる限り頼らない」といった金銭的自立に向けた歩みも進めています。
令和6年度からは、「QURUWA事業リノベーションスクール実行委員会」を発足し、民間主導の運営体制を強化しました。地元のまちづくり会社や専門家、自治会、行政が連携し、参加企業への強いサポート体制をつくっています。

3、事業リノスクの効果
これまでの参加企業を見ると、市内のQURUWA地区外からの参加は4年間で20社以上にのぼります。
特に注目したいのは、参加者の視点の広がりです。
事業リノスクを通して、参加者のあいだにうまれた、「まちの課題を自分ごととして向き合う熱量」は、QURUWA地区を越えて周辺地域や山間部へと広がり、「岡崎市全体の課題にどう取り組むか」という視点に広がってきています。さらに、その課題にポジティブに向き合う、参加企業どうしのつながりがうまれています。
伴走してきた、株式会社アフタヌーンソサエティのディレクターで全国のまちづくりに関わる矢ケ部さんは、事業が「まち」全体へと波及していく本質について話しました。
QURUWAはまちですけど、まちに関わっているいろんな人たちが、「山もあってこそのQURUWAでしょ。」っていうふうにどんどん鮮明になってきてるんですよね。事業リノスクは、引きで、客観的に、まちとの関係性を考え直すプロジェクトだっていうふうに思ってます。
矢ケ部さん

今年度も、「マルタ園(駒立町)」や、「And Forest/株式会社ゼンショー電設(額田地区)」のプロジェクトをはじめとして、QURUWA地区と岡崎市の他地域とのつながりがうまれました。詳しくは「4、公開プレゼンのようす、その1」からどうぞ。

ここまでは、4年間継続してきた事業リノスクがまちにもたらした好影響をふりかえりをしました。ここからは、令和8年2月12日(木)に行った公開プレゼン・ブース交流会のようすをお伝えします。
4、公開プレゼンのようす その1
はじめに、事業リノスクの実行委員長である畑さんは、事業リノスクの意義は、「民間にとっては、新しい事業を通して多様な人が出会う場であり、行政にとっては、民間主導の公民連携事業を立ち上げる場」であると語りました。
狙いは、事業の具体化のために、「エリアビジョン」でエリア内外の地域や民間人をまきこみ、加速させることです。また、民間が事業を通して行政計画と連動すること(=公民連携事業をつくること)で事業を拡大し、まちへの再投資がおきることも狙いです。
事業リノスクの場をプラットフォームとして、多様な人が出会い、民間主導の公民連携をさらに加速させていきましょう。
畑さん

各社発表内容
今年度は、あわせて8社の企業が登壇しました。自社の強みをまちの課題に掛け合わせることで、個人としての繋がりが広がり、本業にも確かなプラスをもたらす具体的なアクションが次々と発表されました。
明大寺本町家守舎(みょうだいじほんまち やもりしゃ)
東岡崎駅前(北口)の空きビルを活用し、文化拠点「CC(cultural center)」を立ち上げました。「夜の街」の印象が強い駅前エリアに、コーヒースタンドやギャラリーを通して人が集う光景を生み出します。これから、エリア全体を見て、まちの風景を変えていきます。
CC Instagram:https://www.instagram.com/cccc_okazaki_?igsh=MW9pZ211OHdkamJodQ==


岡崎まち育てセンター・りた
再建築ができない物件が多くのこるいい梅園地区に「あるものは活かす、ないものはつくる “暮らしのひと手間を楽しむ路地暮らし”」をエリアビジョンとして掲げ空き家を改修したシェアハウス「キノエノ*farm house」を拠点に活動しています。路地の空き地を畑にしたり、月に一回開く「茶話会」を通してご近所さんと交流しています。日常的な関わりを通して地域の関係性を築き、空き家解消、防災ケア、高齢者の孤立防止という複数の課題を同時に解決していくプロジェクトです。
キノエノ*farm house Instagram:https://www.instagram.com/kinoeno.okazaki?igsh=d2I3ZmtqNHdtYTcx

Quiet(クワイエット)
保険代理店としての強みである多様な企業とのネットワークを活かし、空き家を活用した「防災倉庫ラウンジ」を作るプロジェクトです。行政や地域と関わりたい企業から協賛金を集め、地域や行政と連携して民間主体で防災備蓄倉庫をつくり、平時は人が集まる多目的スペースとして活用します。防災に対する意識や知識の向上が、結果的に損害保険という本業の価値を高める循環モデルをつくります。まずはQuietの本社がある上里で事業を実施し、QURUWA地区でも防砂備蓄倉庫を設置する構想です。将来のビジョンは民間側で「防災公園をつくる」です。ぜひ実現してほしいです。
Quiet ホームページ:https://quiet2015.com/
Quiet Instagram:https://www.instagram.com/quiet.2015?igsh=MTZxY282NDlmMDBpOA==

マルタ園
64年目を迎えるぶどう狩りの観光農園。ぶどう本来の生命力を引き出す「不耕起栽培」に取り組んでいるのが特徴です。気候変動や人手不足の全国の農業に関する課題に対して、規格外ぶどうを「干しぶどう」に商品化したり、はたらき方の整備に着手したりしました。さらに、市内で廃棄される「刈り草」を堆肥として園で受け入れ、持続可能な農場にするとりくみをしていきます。農園が学びと循環の拠点になり、草、土、人をつなぎ直すプロジェクトです。
マルタ園 ホームページ:https://marutaen.net/
マルタ園 Instagram:https://www.instagram.com/marutaen_budou/

And Forest/ゼンショー電設(※動画登壇)
電気工事会社でありながら、ShopBotという高性能な木材加工機を導入し、中山間地域で活動してきました。「山に人が来ないなら、まちに森を持っていく」という発想の転換から、事業リノスク参加者の株式会社成田モータースに依頼して、ShopBotを運べる車を購入し、移動式木工室を制作中です。自身の事業の枠を超えて中山間地域全体の存続を見据え、行政とも連携して「森の未来を守りたい」という思いを語りました。
ゼンショー電設 Instagram:https://www.instagram.com/zenshodensetsu/
And Forest Instagram:https://www.instagram.com/andforest.10/

前半のレポートはここまでです。
公開プレゼンの続き、そしてブース交流会のようすはレポート後半をご覧ください!
公開日:2026.04.17

