レポート前半|QURUWA事業リノベーションスクール2023

昨年も開催した「QURUWA事業リノベーションスクール(以下、「事業リノスク」)」、2023年度の様子を前後半にわたってお届けします!

岡崎市は、QURUWA地区にいろいろな人が訪れられる多様なコンテンツが集積し、寛容性を持つ地区となることを目指しています。「事業リノスク」とは、地域や参加者同士で連携し本気の企業のみなさんが多彩なゲストとともに自社事業のリノベーション(更新・向上)や新規事業の構築にトライアルするための機会です。

昨年に引き続き2023年7月から2023年12月まで計6回実施!今回は、昨年度の参加者からのフォローアップもありました。QURUWAのまち歩きや、ゲストや令和4年度参加者によるレクチャー、自社企画の検討やプレゼンテーションなど、各回のプログラムを経て、2023年12月21日(木)には各社による発表がおこなわれました。

そのときの様子をお届けしていきます。

各社発表内容

2023年7月から5ヶ月間にわたり実施された事業リノスクにて、自社課題とまちの課題を複合的に解決するべく事業プランの構築に取り組んできた新規の参加者10社のうち、具体的な小さなアクションをすでに行っており、今後のスケジュール等が明確になっている企業7社と、昨年度の参加者のうちさらなる進捗がある4社の、計11社がプレゼンをおこないました。中山間部の資源を活用した事業やまちづくり、住まいを整備してまちに人流を生みだすなど、様々な事業プランが発表されました。

順番にご紹介していきます。

1:小野ふとん店

「(株)小野ふとん店」がある明大寺本町は、近年、昼間の賑わいが少なくなり、住民の減少や高齢化を課題としています。子どもの声が溢れ、人々の交流がおこなわれる街を目指し、子どもが主役の職業体験施設やファミリー向けの賃貸マンション建設といった自社敷地を活用したエリアリノベーションを具体的なスケジュールと合わせて提案しました。

小野ふとん店

2:スノーピークビジネスソリューションズ

「(株)スノーピークビジネスソリューションズ」は、人や自然をつなぐシェアハウス「ouchi」の運営を提案しました。QURUWA地区の空き家を岡崎市の中山間地域額田の木材を活用して社員や住人でセルフリノベーションし、持続可能な心地よい暮らしをデザインすることで移住や地域企業の採用、定着の促進が期待されます。すでに住人候補は決まっており、顔が見えている状態。現在は物件を探しており、2024年4月のオープンを目指しているとのことでした。

スノーピークビジネスソリューションズ

3:大冷工業

空気や水の道をつくる「大冷工業(株)」は、瞬間冷凍デモ機を購入して手にした技術を活かし、QURUWA地区の飲食店と協力して「丘の途中のマーケット」に出店したり、大型トラックにサウナを乗せたサウナトラックとコラボして瞬間冷凍のドリンク開発などを進めてきました。加えて今後は自社の敷地を駐車場として貸し出し、その利益をQURUWAに再投資していきます。

大冷工業

4:岡崎まち育てセンター・りた

「 (特非)岡崎まち育てセンター・りた」は、QURUWA地区の課題として住まいの選択肢が少ないことを、そして西梅園地区の課題として空き家の増加や少子高齢化に加え、路地に面していない後背敷地の建設可能性がなくなることや、木造密集のため災害時のリスクが高いことを挙げました。

それらをまとめて解決する手段として、空き家を活用した住まいの受け皿づくりを、そして将来的には無接道敷地の解消および空き家活用を実現し、そのモデルを市内他地域へ展開することを提案しました。

岡崎まち育てセンター・りた

5:SCENES

主にウェディング事業や人生の節目のお祝いのプロデュースを手がける「合同会社SCENES」は、岡崎ならではのオリジナルウェディングとして、中山間部額田のみつわ広場や天使の森、またQURUWA地区にあるお店や菅生神社、桜城橋などのまちの資源をフルに活用したウェディングを実施しました。今後は、10年後までの未来の自分たちに手紙を届けるサービスを家族写真撮影に付加し、過去と今と未来を繋ぐサービスや、結婚準備が楽しくなるようなプログラムを実施予定です。

SCENES

6:つばさ交通

旅行会社の「つばさ交通(株)」は、QURUWA地区にて自社栽培を始めたしいたけの販売や、しいたけ狩りや岡崎市の山田農園の有機野菜収穫を体験できるツアーの企画をしましたが、バスの使用による価格上昇や集客の難航により決行ができず、トライしたからこそ課題がより明確になり次のアクションにつながりました。しいたけ販売については店頭看板を設置することで認知が広まり、販売数が格段に上昇。今後はよりブランディングを意識したパッケージの変更を実施するとともに、自社のインフラとしてバスを活用したシェフによる調理を付加した収穫体験ツアーやサウナツアーの開催を検討します。

つばさ交通

7:山田農園

「(株)山田農園」は、カレーに使う野菜を例に挙げてそれぞれの収穫時期にはズレがあることに触れ、一般の人々の農業への理解が低いことを課題として挙げました。そこで、農業への理解者を増やすために、QURUWA地区に「街中農園」をつくる、畑づくりのプロデュース事業を提案しました。今年度は、籠田公園と桜城橋の間に位置する中央緑道沿いの複合施設「偶偶 GUUGUU」と、隣接する「オーカジェラート」の駐車スペースとの隙間に、オーカジェラートで使用する野菜、果物を栽培する畑をつくりました。今後はスノーピークビジネスソリューションズの社員寮に街中農園をつくることを展望しています。

山田農園

ここからは、昨年度の参加者4社による進捗の発表です。

8:マルサ

昨年から引き続いて参加の「(株)マルサ」は、今年10月にジェラート屋「オーカジェラート」を「偶偶 GUUGUU」1階にオープン。夏のオープンを逃したものの、初月は暖かい気候とSNS効果もあり高収益。ところが11月中旬からの寒気により売り上げが急降下。冬をどう乗り越えるかを今後の課題として挙げ、スノーピークビジネスソリューションズと協力しこたつの製作および中央緑道への試験的な設置などを提案しました。

マルサ

9:コネクトスポット

「孤独感のある人」と「まち」をつなぐ福祉サポートをおこなう「NPO法人コネクトスポット」は、その活動が市民にとって身近に捉えづらく、オープンイノベーションが起こしにくいことを課題として挙げました。アクティブな人だけでなく、まちの全ての人と接点を持つことを目的とし、昨年度は自分らしさや周りの人を大切にするための「いいんだよカード」を制作、配布。今年度は誰でも移動販売ができる車を購入、今後はシェアカー「ゆるくる」として利用し、それを通じて課題解決するためのコミュニティをつくっていく提案をしました。現在はコラボできる方の募集に加え、2024年2月まではトライアルでゆるくるの無料貸し出しを実施しています。

コネクトスポット

10:ドゥーラステーションめぐる

昨年度参加の「(一社)ドゥーラステーションめぐる」は、引き続き産後ケアの利用促進・子育て支援の質向上を目的として、今年度は法人化、行政の産前産後ヘルプサービスへの参入準備、ドゥーラ養成講座の開設をおこない、2024年1月にドゥーラステーション「QURUWA こそだてひろば tetowa」(以下、「tetowa」)を共同でりぶら北西に開所することを発表しました。tetowaのお昼寝部屋には、小野ふとん店が寝具を提供。今後も企業と連携し徐々に設備を充実させることや、行政との相互連携により市民サービスの向上を図り、岡崎市の子育て環境を整えることを課題として挙げました。

ドゥーラステーションめぐる

11:Tイノベーション

「Tイノベーション(株)」は昨年度の参加で、QURUWA地区内の後継のいないお店の承継や、中山間地域の間伐材を利用した照明器具制作、PR動画製作の事業化を提案しました。今年度は、地方の先進地に何度も足を運び視察し、また間伐材の根深い課題に対して「ShopBot」という木材の加工ができる機械を導入することでいろんな人が山の問題に触れるきっかけづくりを目指しています。また、既存顧客に木質化を提案する際、山での間伐体験と植林をすることを絶対条件とし、人々と山との距離が縮まるよう働きかけています。

Tイノベーション

以上、みなさんのプレゼンテーションがおこなわれました。前半はここまで。

後半では、事業リノスク最終発表後、事業リノスク参加者、ゲスト、事務局で開催した座談会の様子をお届けします!

公開日:2024.01.10

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