レポート前半|QURUWA事業リノベーションスクール2022

岡崎市は、かつて賑わいを見せた中心市街地が、希少かつ多様なコンテンツの集積した地区(QURUWA)になることを目指しています。くわしくはこちらをご参照ください

そんなQURUWAに、企業のなかでも意欲的に新たな知識を吸収して新規事業に挑戦する「本気の」みなさんが、オープンイノベーションにより多彩なゲストや地域、参加者同士で連携し、自社事業のリノベーション(更新・向上)や新規事業の構築にトライできる、「QURUWA事業リノベーションスクール」(以下「事業リノスク」)を、2022年9月から2023年2月まで、計6回実施しました!

QURUWAのまちあるきや、ゲストによるレクチャー、自社企画の検討やプレゼンテーションなど、各回のプログラムを経て、2023年2月13日(月)には各社による発表がおこなわれました。このレポートでは、そのときの様子をお届けします。

各社発表内容

2022年9月から5ヶ月間にわたり実施された事業リノスクにて、まちの課題と自社課題を解決するべく事業プランの構築に取り組んできた参加者15社と事業リノスク事務局の運営にも携わる1社の、計16社がプレゼンをおこないました。飲食のコンテンツや働く基盤を整備してまちに人流を生みだすなど、様々な事業が構築されました。

順番にご紹介していきます。

1:名鉄都市開発

不動産会社である「名鉄都市開発(株)」。岡崎のまちづくりを一緒に担っていくための名鉄センタービルの活用として、岡崎の人とモノが生み出す「地域のWA(輪)」を発信するQURUWAの道の駅「マチナカStation μQURU」を構想中。また、「μQURUポスト」を設置して、東岡崎駅再開発への期待・希望など地域の人からの意見や、外部から来た人のまちに対する意見を集め、人々に寄り添った都市開発をおこなおうとする提案でした。

名鉄都市開発

2:ミカワテキスタイル

綿織物を主体に生地の設計を行い外注工場で織物を生産している「ミカワテキスタイル(有)」。幡職人の高齢化が進み幡屋が減少している現状を踏まえて、職人が作り出す生地を日常生活に溶け込むデザインでお届けしたいという思いから、「ミカワ・オリモノ・プロダクツ」をスタートさせました。三河地方で生地や布製品と関わる人々や、デザインを学ぶ大学と一緒に制作に取り組み、レジャーシート、湯たんぽカバー、サウナハットなどを開発予定です。

ミカワテキスタイル

3:BOSTON-BAG

不動産業を営む「(株)BOSTON-BAG」。「物件中心のお店作り、から『街』中心のお店作りへ」をテーマに、不動産仲介のあり方を変える「企画のタマゴ」を提案しました。大家・オーナー側の依頼にマッチする入居者・事業者を探す従来のスタイルから、不動産の知識・経験を活かして住民のニーズ調査や、行政課題の聞き取りをおこない、まち・エリアの雰囲気やテーマからプロジェクトを作成し、「こんなお店をここで始めませんか?」と事業者に提案する、という企画です。

BOSTON-BAG

4:発知商店

JR岡崎駅近くに酒屋を構える「(株)発知商店」。地域の飲食店・ご家庭への酒の配達や、お祭りや神事でのお酒の提供など、かつて酒屋は日常の担い手でした。しかし酒屋の多くが廃業した現状を打破するため、商品を売って終わりではなく、お酒の楽しみ方も含めて新たな提案をできる持続可能な酒屋を目指した移動販売車の企画を進行中。1杯のお酒とおしゃべりを楽しむフランスの「アペロ文化」のように、街の一角でお酒を通して人々が気軽に交流できる場づくりです。

発知商店

5:コネクトスポット

「生きづらさのある人」と「まち」をつなぐ福祉サポートを行う「NPO法人コネクトスポット」。アクティブな人だけが楽しむまちではなく、多様な人が生きやすい・安心できるまちにしたいという思いから、「『こんなわたしでいいのかな?』ポストカード」を作成しました。「どんな自分も、大切にしていいんだよ」と自分を認める輪を広げ、お互いのことを認め合うことができる人で溢れたまちづくりを目指す取り組みです。

コネクトスポット

6:スノーピークビジネスソリューションズ

(株)スノーピークビジネスソリューションズは、「子どもたちに働く姿を見せれるまち」を実現するために、まちなかで「働く」が表現できる環境づくりに取り組んでいます。「QURUWA『働く』のまちなか実験」として、コワーキングスペース開放、キャンプギア無料貸出、オフサイトミーティングトライアルなどを実施することで、自社事業のサービス認知向上とエリア活性を図ります。また、Snow Peakの質の良い「製品・モノ」と、質の良い「体験・コト」をユーザーに繰り返してもらうことによって、コミュニティビジネスを実施するという提案でした。

スノーピークビジネスソリューションズ

7:戸松電気工業所

「(株)戸松電気工業所」は、籠田公園から中央緑道の電気工事の施工をきっかけにQURUWA地区のまちづくりに興味を抱きました。施工を機に関わりを持った中央緑道沿いの喫茶「フロリダ」を事業承継し、まちの「点」を守っていきたいという提案をおこないました。また、岡崎市の森林課題認知向上のために、間伐の切り口であり廃材となってしまう「受け口」を利用した照明器具の作成や、岡崎のメディア・PR動画の製作など、業種の垣根を越えて広くまちづくりに関わる提案でした。

戸松電気工業所

8:ドゥーラステーションめぐる

産前産後の期間に育児や家事等の日常生活をサポートする「ドゥーラステーションめぐる」。事業リノスクの各回で他参加者の「岡崎市のために」という思いにも刺激を受け、女性に寄り添い支える「ドゥーラ」の活動を岡崎市から広めていくため、拠点を設けて法人化する決意表明をされました。ドゥーラの養成や行政との連携も行い、岡崎市の産後ケアの利用促進、子育て支援の質の向上を目指し、ママ・パパが疲れたときに休める場の創出を目指します。

ドゥーラステーションめぐる

9:南康生家守舎

事業リノスクの運営にも携わる、一級建築士事務所「studio36」の畑さんは、多様性と寛容さに満たされた「ありうべき都市」の創出に挑む「南康生家守舎」を立ち上げる予定です。チャレンジしやすい状況をつくり地域の熱量を上げることと、まちに奥行きをつくることを目的として、中央緑道沿いの物件にて「(仮称)丘ビルプロジェクト」を始動させ、事業リノスクに参加した企業をはじめ多様な事業者が丘ビルに出店します。どのような出店を計画しているのか、10:稲垣石材店、12:マルサのところをご覧ください。

南康生家守舎

10:稲垣石材店

「(有)稲垣石材店」は、売上減少や後継ぎ不足により石工業者が20年間で半減した石のまち・石工団地の危機を受け、石と人をつなぐバーを丘ビルに出店します。コミュニケーションをとる場や機会の創出だけでなく、「石の人」として石と石工の価値や石文化の伝承や、石のまちの再興を図るという計画です。あわせて、石工団地&石切場ツアーや石切場イベントを実施し、石切場の後継者や若手石工の発掘にも取り組んでいきます。

稲垣石材店

11:岡田コントロールワーク

地域子育て支援をおこなう「(合)岡田コントロールワーク」の託児園 SORRISO。企業とのカリキュラム開発や保育カリキュラム実践の場を提供する「企業連携子育て支援」や、親子で地域の体験プログラムに参加できる「休日プログラム えんてい」を企画・準備しています。また、QURUWAで子育て支援をおこなう団体の多くが拠点を持っていない現状から、託児空間無償貸出「子育てプラットフォーム『ゆりかご』」も実施予定です。様々な側面からママ・パパ・こどもの笑顔のお手伝いをする提案でした。

岡田コントロールワーク

12:マルサ

業務用総合食品卸売を営む「(株)マルサ」。新型コロナウイルスなどの外部環境により人流が抑制されると売り上げが大きく減少してしまう卸売業の課題から、街との共生を追求した「ジェラート販売店兼製造所」の開設を提案しました。企業理念である「人と人」、「地域と人」をつなぎ、持続可能な社会づくりに食を通して貢献し、県内の廃棄されてしまう野菜や果物等の活用に取り組みます。丘ビルにて今夏にオープン予定です。

マルサ

13:栄光会

デイサービス、治療院、訪問鍼灸、訪問看護などを展開し、地域の健康寿命を支える事業をおこなう「(株)栄光会」。事業リノスクにて関係を築いた(株)Q-NEXTと連携し、「QURUWAと暮らす」(2023年3月25日・26日開催予定)にて高齢者がスタッフとして活動し、地域の人々との関わりを持つ機会づくりに取り組む予定です。また、アクティブシニアが輝き活躍できる場をつくるために、高齢者1000人を集めたコミュニティづくりにも挑戦していきます。

栄光会

14:柴田酒造場

奥三河に酒蔵を構える「(合)柴田酒造場」。土蔵を改修したカフェを2020年にオープンして以来、継続的な集客に挑んでいます。事業リノスク期間中に、同参加者のOkazaki Micro Hotel ANGLEにて熱燗を嗜むイベントを試験的に実施。参加者の方からの評判もよかったことから、今後もQURUWA内での認知向上、地域のファンを増やすために季節に応じてイベントをおこなう予定です。まちの人に酒蔵のある山エリアにも来ていただくことによって楽しむ場所の選択肢を増やし、QOL向上への寄与も目指します。

柴田酒造場

15:phoneme

アパレルや飲食など幅広く事業展開を進めてきた「(株)phoneme」。「カルチャーがある街、ネクストレベル”KOSEI”」をテーマに掲げ、サイレントクラブ・サイレントシネマ、完全会員制パフェバーを始める提案をおこないました。また、多義的な文化の創造の一歩目として、「篭田 Neo 盆踊り」を地域と連携して今夏に実施予定です。康生町をもっと”おもしろく”するために、数々の挑戦が続きます。

phoneme

16:Okazaki Micro Hotel ANGLE

籠田公園南側で宿業を営む「Okazaki Micro Hotel ANGLE」。岡崎の豊かさやおもしろさを届けたい層に届けられていない現状に課題を感じ、岡崎について知ってもらえる接点となる「誰かの視点をきっかけに、岡崎のまちに入り込むメディア『シテン、、、』」開設の提案がありました。街の入口としての機能だけでなく、若者が関わるきっかけづくりや、街の仕事を守る役割も果たしていきます。

Okazaki Micro Hotel ANGLE

以上、16組のプレゼンテーションがおこなわれました。ひとまず前半はここまで。

後半では、事業リノスク最終発表後、事業リノスク参加者、ゲスト、事務局で開催した座談会の様子をお届けします!

公開日:2023.03.28

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